「穴があったら入りたい」──留学して何度心の中でこう叫んだか。
授業中うまく英語で自分の意見を発表できなかったり、自分だけ全く内容を理解できなかったり、留学中は恥ずかしいことや悔しいことばかり。
今回は、現在通っているスペインのビジネススクールで出会った、アントワン先生から教わった「力強い生き方」についてお話しようと思います
自分に惚れるな、相手に惚れろ
リーンスタートアップという授業を担当していたアントワン先生。若き起業家でもある彼ははいつもエネルギッシュ。
「君たちはラッキーだな、僕から学べて。僕の授業は最高に面白いんだ、だから気を抜かずに最後までついてこい!」
今でもこの言葉と彼のパッションに溢れる授業は鮮明に記憶に残っています。そんな彼がまず初めに教えてくれたのは相手のことを一番に考えるということです。
「自分の考えたアイディアや製品が可愛くて仕方がない?じゃあ明日もし投資家にそのアイデアを全力でプレゼンしても、相手にすらしてもらえないだろうな。いいか?ビジネスアイディアは人を助けるためにあるんだ」
かなりハッキリおっしゃる先生だな、と思っていたら彼はこう続けました。
「自分のアイデアに惚れるな、カスタマーに恋しろ!」
成長したければ失敗を繰り返せ
ビジネスは調査と実験、そして失敗の繰り返しだと彼は何度も強調しました。授業のスライドを復習していると、これについて説明しているスライドが途中で何回も出てきます。
「失敗したら新しいアイディアを考えようとする。それが改善策だ」
私自身たくさん失敗して恥ずかしい思いをしたから「次同じ失敗をしないためにはどう準備すれば良いか」や「どういう知識が足らなかったから、このような事になったのか」を考えられるようになりました。
今まで「失敗は成功のもと」という言葉を何度も耳にしましたが、彼の言葉と積み重なった失敗のおかげで今ではその理屈がよくわかります。
若いうちはチャンスがあるなら全部拾え
アントワン先生は座っている時でさえも、時間を有効的に使っているんだろうな、と思わせるくらいのオーラで溢れています。
ある日授業の休み時間にたまたま隣に座っていたので、なんとなく質問したことがあります。
「夏休みに日本に帰ってインターンシップをしたいのですが、アメリカのバークレーの学校で開講される『リーダーシップ育成プログラム』にも参加したいんです。でもそんな事していたらインターンする時間も限られてしまう。先生ならどうしますか」
すぐに「そのプログラムの期間はどれくらい?」と聞き返されました。確か3週間ほどだったと伝えると
「行け。長い長い夏休みの内の3週間なんて、大したこない。残りの期間に充分インターンできる。いいか、学べる量と期間をいつも天秤にかけるんだ。若いうちはチャンスがあるなら全部拾え」
まとめ
彼の授業は時間を忘れるくらい、いつもエキサイティングなものでした。授業が完全に終わった今でも、資料を振り返っては学んでいます。
ある種私は、彼に憧れていたのだと思います。「自信に溢れていて説得力のある、みんなを惹きつける人間性」に。
彼と同じような思考で毎日過ごすと、さすがに疲労でいつか倒れると思います(笑)
ですが行き詰まった時、落ち込んで立ち直れない時にふとこれらのことを思い出すと、頑張れるような気がしなくもないのは私だけでしょうか。