「もうコロナもそろそろ終わりかな」と思っていた頃に、再び深刻なムードが日本に漂い始めましたね。
そんな中、私のインスタグラムをフォローしてくださっている方や、周りに留学生がいる方はお気づきかもしれませんが、多くの留学生たちは今、必死にSNSなどを通し「外出自粛」を呼びかけています。
「なんだよ急に」と思いますよね。不要不急の概念もいまいちわからないし、せっかく数ヶ月前から立てた予定や旅行をキャンセルするほどのリスクも感じられないし、と。
私も留学をしていなかったら多分「外出自粛」についてこんなに真剣に捉えていなかったと思います。
しかし、スペインで人々が悲しみとやり場のない悔しさに落ちていく姿を見た一人の人間として、「自宅自粛」を留学生たちが必死に声かける留学生たちの思いを代弁しながら、「日本にいると気づきにくいこと」について書こうと思います。
本当に暗いし、寂しいんだよ
帰国する2日前の夕方、家に帰る途中道を歩いていると、なんだかいつもと違うことに気がつきました。本来なら夜9時以降に閉店しはじめる賑やかなバルセロナの街、17時頃からバタバタとどこもかしこも店を閉めだしていたのです。
理由はコロナウイルスによる患者が急激に増えたことによる政府の命令。本格的にスペインとコロナの戦いが始まった瞬間でした。
家に帰るとハウスメイトたちが飛行機のチケットを必死に探していました。「私は明日帰る、あなたは?」「親と連絡して、帰国するか迷っていたけどやっぱり帰ることにしたわ」──
このように、たった一日でガランと寂しくなってしまったバルセロナ。許可されている外出理由はスーパーマーケットだけ。入店するのにも数人ずつ。「自宅自粛」が始まって以来、いつも店の前は行列です。
バルセロナやフランスで自粛期間が始まってから、もうすぐ2週間が経とうとしています。イタリアだと3週間ほど。
私のSNSには、数百人ほどのヨーロッパの友達のアカウントがありますが、彼ら彼女らの投稿から伺える嘆きはたった一つ。
「日常が恋しい」
今できることは寄付でもなんでもない
本格的にヨーロッパがパンデミックの中心地になりだした時、私のヨーロッパの友人たちのインスタのストーリーの内容は「Stay in quarantine(自宅自粛)」でした。
そこで最も印象的だった投稿文は以下の通りです。
私の祖父は第二次世界大戦の時、政府の命令で軍隊として駆り出されたわ──
今回の政府の命令?「家にいなさい」─
ことの深刻さを、若い人たちも総出で冷静に広め、協力を呼びかけています。みんな楽しい日常を失くした、あるいは大切な家族や友達を失った。他人事ではなく、責任のある行動をとろうとしています。
留学生たちが、このような状況をなんとしてでも回避しようとする理由は、これらの状況を留学先や出会った友人を通して目の当たりにしているからです。
「外出しないことが今私にできること」─
できることは、諦める正義
いろんな情報をTVやスマホの中に溢れていて、状況を把握するにも何がなんだかわからないですよね。仕事やプライベートが忙しい方は尚更だと思います。
そんなわかりにくい世の中であるから、緊急事態を経験した留学生たちが「さらに不便になる前に、これ以上患者を出さないために」と思い必死になってありったけの声をはっています。
ロックダウンやリモートワークで既に不便がたくさんあります。私も現在就活生ですが、オンラインに全て切り替わり、実際に「人」と会うチャンスをたくさん失いました。
今はこれよりさらに不便をもたらす、「ロックダウン」という最悪の事態の可能性が大いにあります。
ロックダウンを回避したい。諦めたくない予定も「こんな状況でも頑張らなきゃいけない人」や「国や世界レベルでミッションを抱えている人」を思い出し、もう一度見直している人は今どれくらいいるのでしょうか。
諦める正義を自分自身に問いかけている人は美しいと、思います。
まとめ
この記事だけではまだ状況がピンとこない方も、もちろんいらっしゃると思います。私も冒頭で話したように、実際に経験していなかったらここまで自分ごとのように考えられなかったでしょう。
日々仕事を頑張っている人たちや、何かを楽しみに生きて困難を乗り越えている人たち、そんな方々に少しでも役に立ちたいと思い、私も今回執筆に至りました。
日本が、世界がたいへんな時だからこそ、自分の行動を「地球人としての責任感」を持って見直したいと思います。
どうかこれ以上感染者が増えず、一刻も早く平和が戻ってきますように。